なあ、わかってんだろ 俺はもうあんたを慰めてはやれねぇんだよ 跪いて哀願だってしていい。 男の腕の中で体を強張らせて、じっと時間が過ぎるのを持つ。もう数えるのも馬鹿らしくなるくらい繰り返した夜に、そろそろ説教した方がいいんだろうかと自問自答を繰り返す。 剣を振るうには薄っぺらな胸と腹に回された腕は、己よりもずいぶんと太くなっていて大きくなりやがってとほんの少しの悔しさと感慨を思い起こさせるのに、中身はてんでガキのまま。 ママのおっぱいが恋しい年でもないだろう僕ちゃん?ってあの世に片足つっこむだろうが、言ってやりてぇ。 むしろ言って男の目を覚まさせてやる必要があるだろう。 もし肯定されたら、せめて男の真っ平らな胸じゃなくて女の胸をしゃぶってろって死を覚悟で言ってやる。 それが俺の示せるボスへの忠誠だとも思うし、息子をこんなにしちまった9代目への贖罪でもある。 低くないプライドをことあるごとに踏みにじられるひりつくような怒りだって憎悪だって口惜しさだって全部全部呑み込んで、てめぇの足下に額ずいてやってるのは紛れもないファミリーへの忠義心。 それから、言っちゃやらないがあんたへの愛情だ。 いきなり横からボスの座をかっさらわれて俺がどんな気持ちになったかなんてお前にわかってもらおうなんて思わねぇ。 戦って傷つけ合って殺し合った結果だから文句もねぇ。 むしろあのガキが立派になったもんだって誇らしさすら覚えて、潔く死だって覚悟した。 なあなのに。 なんでてめぇは俺を殺さねぇんだよ。 前の派閥の生き残りなんて、どれだけやっかいか誰に言われるまでもなく身に染みてわかってるはずだろう。 せめてこうやってベットの中に引きずり込むのはやめろよ。 昔みてぇに頭をなでてやることも抱きしめてやることも出来ねぇんだよ。 もう俺なんかに執着するのはやめてくれよ、なあ! 捨てちまえ捨てちまえよ!捨ててくれ!!なぁ頼むから!! |